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インフルエンザウイルスワクチン
*症状
高熱、咳、関節節々の痛み等。
通常5日程度で治癒。
*適応
生後6か月以上の方が対象。
特に高齢者、基礎疾患をお持ちの方、
医療従事者などは接種推奨。
理想的は10月下旬まで、
遅くても12月上旬までに接種を
済ませておく事が望ましい。
*接種方法
皮下注射もしくは筋肉内注射
日本では6か月~12歳は2回、
13歳以上は1回または2回接種が推奨。
(CDC方式では、9歳以上で2回うち)
*特徴
インフルエンザウイルスは不連続変異という性質
を持ち毎年流行。
小児ではまれに急性脳症、高齢の方の場合や
持病がある方は肺炎の原因となり、
重症化することもある。
*接種できない方
以前の接種でアナフィラキシーなどの
過敏反応があった方。
ワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖した
インフルエンザウイルスを原材料として製造
されておりますので微量の鶏卵由来成分が残存
している可能性があります。卵アレルギーが
あっても通常接種には問題ないですが、副作用
とのバランスを考慮し、接種を判断致します。
肺炎球菌ワクチン
ポリサッカライドワクチン23価
(ニューモバックス®)
*特徴
肺炎球菌は、市中肺炎・髄膜炎・中耳炎・
副鼻腔炎を起こす細菌で最も多い。
乳幼児、高齢者、免疫不全のある方
(特に脾臓を手術で摘出した場合など) では、
重症感染症を発症するリスクが高くなる。
*適応
・65歳以上の方
・2~64歳で(慢性心不全、慢性呼吸器疾患、
糖尿病、アルコール中毒、慢性肝疾患
(肝硬変等)、髄液漏のある方脾摘後、
脾機能不全の方など
免疫不全状態(HIV感染、血液悪性腫瘍)
慢性腎疾患、およびネフローゼ症候群
※65歳以上では公費の対象。
(初回のみ、年齢指定あり)
脾臓摘出後の方は保険適応。
*接種方法
皮下注射または筋肉注射。初回接種後、
5年ごとに接種。
(免疫記憶効果がなく、持続効果が劣るため)
*接種できない方
以前の接種でアナフィラキシーなどの
過敏反応があった方。
肺炎球菌ワクチン
結合型ワクチン13価
(プレベナー13®)
結合型ワクチン15価
(バクニュバンス®)
結合型ワクチン20価
(プレベナー20®)
*特徴
免疫記憶効果があり、一度のみの
接種で良いとされている。
鼻や喉の粘膜への定着(保菌)を防止
できる効果もある。
効果に関しては、様々な研究結果が
あり、方向性が定まっていない。
※日本化学療法学会雑誌2020; 68:523-5.
肺炎球菌感染症に対する現行ワクチンの
特徴と次世代ワクチンの開発
本邦では成人にも認可されているが
まだエビデンスが少ない。
(ガイドラインでは、接種してよい
という表記になっている)
※日本感染症学会
65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン
接種に関する考え方(第3版 2019-10-30)
*適応
生後2か月以上5歳以下の乳幼児、
65歳以上の方、免疫不全のある方
(特に脾臓摘出を受けている方など)
に推奨。
*接種方法
皮下注射(小児)
または筋肉注射(成人)
成人は、合計1回のみ接種、
小児は複数回必要。
*接種できない方
以前の接種でアナフィラキシー
などの過敏反応があった方。
☆2種類の肺炎球菌ワクチン接種
についての私見
2種類の肺炎球菌ワクチンは共に国の
認可を受けていますが、この2種類の
ワクチンをすべての人に接種すべきと
いう知見はなく、現状では確立された
接種方法はない状況です。
ガイドラインでは2種類接種しても
よいという表記になっています。
※日本感染症学会
65歳以上の成人に対する肺炎球菌
ワクチン接種に関する考え方
(第3版 2019-10-30)
ここからは個人的な見解を記載
させていただきます。
※この見解と異なる主張する医師も
いらっしゃると思います。
当方のHPでは、決してその方々が
間違っているという事を指摘する
意図はありません。
〇金銭的に余裕がある場合、
脾臓がないなど免疫力が
低下している場合
2種類ともに接種
〇5年ごとにワクチンを接種することが
難しい場合
プレベナー20®のみを接種
〇それ以外の方
ニューモバックス®を5年ごとに接種
※2024年9月よりP C V20(プレベナー20®)
が認可されました。
当クリニックではプレベナー20®の接種を
ご提案します。
今後、エビデンスが蓄積されていけば、
PCV20のみでよいという事になってくる
可能性があります。
また、別のタイプのワクチンも開発中であり、
適宜、アップデートしていきます。
帯状疱疹ワクチン
不活化ワクチン (シングリックス®)
生ワクチン
(乾燥弱毒水痘ワクチン『ビケン』®)
の2種類
*特徴
水痘(水ぼうそう)と同じウイルスが原因。
最初の感染では水痘(水ぼうそう)が
起こり、回復した後ウイルスは神経の中に
潜伏する。神経に潜伏したウイルスは、
普段は免疫に抑えられて発症しないが、
体力の低下・ストレス・高齢など免疫が
落ちたときに、活発化することがあり、
その状態を帯状疱疹という。
*症状
体の一部に痛みを伴う水疱が出現し、
神経痛として長期間残ることがある。
時に麻痺,視力・聴力障害が残存する
こともあり。
80歳以上の方は3人に1人が発症すると
言われ、50歳以上の方は2割の人に後遺症
が残るといわれている。
※Open Forum Infect Dis. 2017;28;4(1):ofx007
.※J Epidemiol.2015;;25(10):617-25.
*適応
50歳以上の方全員に推奨。
*接種後の副作用
接種した部位の痛みや腫れや発疹、
発熱が出ることがある。
シングリックス®の方が疼痛、発熱の
頻度が高いとされる。
*接種方法
不活化ワクチン(シングリックス®) /
筋肉注射 2か月あけて合計2回
生ワクチン
(乾燥弱毒水痘ワクチン『ビケン』®)/
皮下注射1回のみ
*接種できない方
不活化ワクチン (シングリックス®)/
以前の接種でアナフィラキシー
などの過敏反応があった方
生ワクチン
(乾燥弱毒水痘ワクチン『ビケン』®)/
以前の接種でアナフィラキシー
などの過敏反応があった方
妊娠中の方
免疫不全と診断されている方
免疫抑制剤を内服中の方
※以下の表は、医学書院 2020年4月27日の医学界新聞
第10回高齢者に勧められるワクチンは
から引用させていただきました。
RSウイルスワクチン(高齢者向け)
(アレックスビー®)(アブリスボ®)
*特徴
RSウイルスは乳幼児に感染することで有名ですが、実は高齢者にも感染し、肺炎で入院することもある感染症です。成人では検査されることが少ないため、あまり注目されてきませんでしたが、アメリカCDCでの発表によるとアメリカでは6- 16万人の高齢者が RSV 感染により入院し、6,000 ~ 10,000 人が死亡していると推定されています。
日本でも約5000人程度の死亡数が推定されています。これはインフルエンザと同等かそれ以上のインパクトがある感染症です。
RSウイルス感染症には、特異的な治療法がなく、唯一、ワクチンで備えておく必要がある感染症です。
このワクチンを接種しておくと、発症する確率、入院する確率、人工呼吸になる確率(重症化する確率)が約1/5程度に下がります。
※当クリニックでは安価なアレックスビー®をご提案しますが、アブリスボ®をご希望の方はお申し出ください。
(現段階で高齢者に対してアブリスボ®は、アレックスビー®
と比較して明らかなメリットが不明なため)
*適応
60歳以上で以下の方に推奨。
-
心肺疾患
-
腎臓障害
-
肝臓障害
-
神経学的または神経筋の状態、
-
血液疾患
-
糖尿病
-
中等度または重度の免疫不全 (病状または免疫抑制剤または治療の受領に起因する)
-
虚弱な人 フレイル
-
老人ホームまたはその他の長期介護施設に居住している方
*接種後の副作用
10%以上:疼痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、疲労
10%未満:皮膚の赤身、腫れ、発熱、過敏反応、鼻漏、そう痒感など
*接種方法
現在は単回接種、筋注です。
(今後、エビデンスが蓄積されれば追加接種となる可能性があります)
*接種できない方
発熱がある場合、重篤な急性疾患に罹患している場合、
以前の接種でアナフィラキシーなどの過敏反応があった方
(参照:Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation (GRADE): GSK RSVPreF3 Vaccine (AREXVY))
(参照:Preliminary Estimated Influenza Illnesses, Medical Visits, Hospitalizations, and Deaths in the United States — 2022–2023 Influenza Season)
(参照:Healthcare Providers: RSV Vaccination for Adults 60 Years of Age and Over,https://www.cdc.gov/vaccines/vpd/rsv/hcp/older-adults.html)